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【タラコラム】子どもに大人の夢や目標を託していませんか?

小中学生や高校生などのスポーツチームなどの指導において、ずっと感じてきた違和感が僕にはあります。それは、この世代での「勝つことの目的化」と、「プロ予備軍としての育成」。

学校の部活動も含め、地域のスクールやクラブチームにおいても、勝つことが目的になってしまっているように感じます。(もちろん、競技である以上は、勝利を目指すことは悪いことではないですし、勝利を目指していく中で、たくさんの学びがあるとも、思っています。)

また、全ての子どもたちがプロアスリートになれる訳でもないのに、プロアスリート養成のような感じでの指導方法が多いような印象を持っています。

僕が感じる違和感に過ぎないのですが、僕自身の現時点での整理整頓として記録しておこうと思います。(書いていたら、長くなりました。よければ、ぜひ、最後までご覧ください!!)

目次

世界で活躍する選手育成を・・・と謳うジュニア・ユースのクラブチーム

たまたま、熊本県内のサッカースクールやクラブチームなどを調べていたら、本当にたくさんのチームがヒットしました。正直、こんなにたくさんのスクールやチームがあるんだ!というのが率直な感想でした。

というのも、少子化で子どもの数は減っているにも関わらず、このようにたくさんのチームが存在するという状況に少し違和感を覚えたからです。(もちろん、学校での部活動がなくなるという時代背景はあると思いますが、、、。)

ここまで多くなると、それらのスクールやチームは、競合他社との差別化のためにも、ストロングポイントを提示する必要があります。すると、元プロ選手が教えるスクールであったり、世界的ビッククラブの〇〇メソッドを用いた指導であったり、プロ◯名輩出、みたいな感じで優位性を示す必要があります。

と同時に、保護者側も、スクールやチームへの期待値として、その競技が上達したり、もしくは、プロ選手になるべく、次のカテゴリーでより高いレベルへ移行することを期待したりしてしまっているように思います。

スクールやクラブ運営が、ビジネス化している場合は、それらの結果を保護者に示していくことで、経営が成り立つため、どうしても運営側は、目に見えた結果を示していくことを迫られてしまうのではないでしょうか?

しかし、こうしたことのしわ寄せはどこに来るのか?それはもちろん、子どもたちだと僕は思うのです。

プロアスリートになるのは、東大入学くらいの狭き門

我が子を、東京大学に入学させるという目標と、プロアスリートになるという目標を掲げたとします。一般的なイメージとして、東大合格は難しそうだけど、プロアスリートにはなれるのでは?なんて思ってしまっている保護者や大人が多いような気が、僕はしています(苦笑)でも、これ確率的に考えたら、ほぼ同じか、もしくは、プロアスリートになる方が難しいです。

例えば、プロ野球において、現役高校生が、プロ入りする確率を考えてみると、現実的にかなり困難であるということが理解できるはずです。

プロ野球は全12球団。その12球団が、各チーム10名ずつドラフト示したとしても、毎年120名しかプロ入りできません。しかも、その内訳は、社会人、大学生、高校生となりますので、現役高校生がプロ入りする確率は、120名中、半分程度でも、60名となります。

全国の高校球児が、約170,000名いて、高校3年生はそのうち、約55,000名とのことなので、プロになれる確率は、60(名)÷ 55,000(名)×100=0.1%程度 となる訳です。

ちなみに、東大合格者は、全大学入学者数 約600,000名いて、東大入学者は、約3,000名ということなので、東大入学できる確率は、3,000(名)÷600,000(名)×100=0.5%程度 となるとのことです。

東大よりも高卒プロ野球選手というのは、なれる確率が低い狭き門です。これは野球を例に挙げて考えましたが、その他の競技も、実際に調べた訳ではないですが、この結果とそれほど大差ないと思います。

つまり、本当に一握りの人しか到達することができない場所であるという認識を大人が持つ事ができれば、きっと子どもへのアプローチは変わるのではないか?と、僕は考えています。

子どもの将来を見据えた関わり方

プロアスリートになれる確率が限りなく低いということを保護者や大人が認識できれば、我が子をプロアスリートに!とか、自チームからプロを輩出したい!なんて、気持ちになることは少なくなると思います。

逆に、その可能性を感じたとして、その確率を知っていれば、現在ばかりをみた関わり方ではなく、「将来を見据えた関わり方」というものを選択できるのではないかと思います。

結果的に、勝つことを目的とした関わり方で、【消耗】させるような関わり方にはならないでしょう。さらには、自分自身が、その才能や素質を目の前にしたときに、「自分の手には負えない」とすら感じる事ができるかもしれません。そうした判断ができれば、自分ではなく、きちんとその子の将来を考えた関わり方ができるような人へと繋いでいくことこそが、大事な関わり方のような気がしています。

野球の大谷翔平選手や佐々木朗希選手、バスケットの渡邊雄太選手などのように、今ではなく、将来を見据えた関わりを持つ事ができれば、上位カテゴリーになった時に、より多くの人たちをワクワクさせたり、楽しませてくれるような存在になっていけるはずです。そうなることが、スポーツやアスリートとしての大きな価値になると思います。

子どもたちに、スポーツ・運動を通じて何を伝えるべきか

では、子どもたちに、スポーツ・運動を通じて、何を伝えるべきなのでしょうか?

【生涯スポーツ】という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。アメリカでは、学校卒業した後でも、スポーツや運動を楽しむ人口が多いです。実際に、アメリカと日本の人口比は約3倍ですが、フィットネス人口はアメリカ「5,720万人」に対し、日本は「424万人」であり、市場規模は約13倍と大きな開きがるとのことです。(こちらから引用)

この数字から見ても、アメリカにおいて、生涯通じてスポーツや運動を楽しんでいる人が多いということは理解できると思います。と同時に、日本においては、学生時代のスポーツ参加率は高くても、卒業と同時に離れてしまい、それ以降、スポーツや運動と接する機会が少なくなる人が、多数を占めているということになります。

 

この理由は多岐に渡りますが、その理由の一つには、【学生時代のスポーツや運動との向き合い方】に大きな問題があると考える事ができるように感じます。

少し前のデータですが、スポーツ庁が出したデータ(こちら)には、スポーツや運動の実施頻度が低い理由として、「スポーツや運動が嫌いだから」というものが、全体の10%となり、女性の割合が多い事が示されています。

さらに、「スポーツや運動が嫌い」という方は、なぜ嫌いなのか?という理由については、「苦手だから」「疲れるから」と示されており、こちらも女性の割合が多いです。

この結果を見る限り、スポーツや運動の関わり方、特に学生時代の関わり方に注意すべき点が多いように僕は考えます。

苦手に感じるのはなぜか?疲れると感じるのはなぜか?ということです。運動やスポーツの上手い下手の評価がなされてしまい、体を動かせば疲れる以外の価値を提供できていない事が大きな問題なように、僕は感じます。

この辺りの評価基準、価値基準を少しずつ変えていくことを、学校体育はもちろん、スクールや地域スポーツチームでも考えていく必要があるように思います。そうした未来のことを考えた関わり方を行う事ができれば、【運動・スポーツ参加率が増加 → 健康寿命の延伸】となり、老後の社会保障にも大きな影響を与え、結果的に、それらが自分自身に返ってくるかもしれません。(現状、社会保障に与える影響は限定的という見方が強いようですが…。健康寿命に関する資料はこちら

やや乱暴ではありますが、保護者やスポーツ・運動に関わる大人は、子どもたちに、「スポーツ・運動を好きになってもらうこと」こそを第一に考え、そしてその上で、体を動かすことへのポジティブな側面をしっかりと伝えていくことが、大きな使命なのではないかと僕は思います。

子ども達の目標なのか? 大人なの目標なのか?

先日、柔道において、小学校の全国大会廃止というニュースがありました。行き過ぎた勝利至上主義に対する警鐘としての対応とのことでした。しかし、この措置は、小学生だけではなく、中学、高校生でも同じなのではないでしょうか?

日本一になることは素晴らしいことです。しかし、幼少期から、そこを目標にしてしまうと、どうしても結果に目がいってしまいます。結果として、上記したような、「スポーツ・運動の楽しさ」や「身体を動かすことへのポジティブな感情」が低下してしまう事が懸念されます。

大人でも、結果ありきで仕事をしていると疲弊しますよね?子どもたちも同じか、それ以上に疲弊してしまうでしょう。だからこそ、勝利を第一目的としないような動きは重要になると思います。

結局、「勝利」や「結果」は子どもたちの目標ではなく、保護者や大人たちの目標になってしまっていることが、悪循環への入り口なのだと思います。勝利や結果を子どもたち自身が必要としているわけではなく、それの周りの大人が必要としていて、その結果、子どもたちも必要とせざるを得ない状況なのかもしれません。

「勝利」や「結果」を得て喜んでいるのは子どもではなく、大人。それによって、大人自身の存在を承認してほしい、ということから生じてしまっているかもしれません。全ての人がそうではないとは思いますが、そういう自身の承認欲求のために、子どもたちを犠牲にしている人も少なくはないはずです。

子どもたちは大人の夢や目標を達成するために存在するわけではないですし、大人の身代わりでもなんでもありません。その辺を間違わなければ、きっと子どもたち自身が、自分の夢や目標に向かって、努力を重ねることを応援できると思います。

「大人が子どもに自分の夢や目標を託さない」ということは非常に重要な大人の子どもへの関わり方であると、僕は考えています。

まとめ

今回は、小中学生や高校生などのスポーツチームなどの指導において、僕がずっと感じてきた違和感について記載してきました。スポーツや運動を、生涯に渡り、健康的に、楽しむ事ができれば、健康寿命ももっと延び、あらゆる面で、社会的なメリットがあると感じています。大人が子どもに自分の夢や目標を託さないということこそが、大人の子どもへの大事な関わり方であると僕は考えています。

・世界で活躍する選手育成を・・・と謳うジュニア・ユースのクラブチーム

・プロアスリートになるのは、東大入学くらいの狭き門

・子どもの将来を見据えた関わり方

・子どもたちに、スポーツ・運動を通じて何を伝えるべきか

・子ども達の目標なのか? 大人なの目標なのか?

最後に

ついつい、子どもに大人の夢を託してしまいがちになりますよね。でも、これは子どもにとっては酷です。子どもたちにも、子どもたちの人生があります。そして、今の子どもたちは、親や大人が今生きている時代よりも、もっと不確かな時代を生きなくていけないのですから。

そんな時代を逞しく生きていくためにも、子どもであっても、自分のことは自分で決める事ができるように、そういった方向づけをしていくのが、保護者や周りの大人の役割であると思います。子どもが主体的に自分の人生を生き、自分の将来の夢や目標を掲げる事ができるような環境整備を、大人は必死こいて、行っていくべきだと僕は考えています。

 

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