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【トレーニングコーチ向け】自分のコーチングが相手に伝わっていないかも…という時に

以前のブログで、吉井理人著 「最高のコーチは教えない」を読んで、コーチングについて改めて考えました。あの書籍に出会い、そこから、自分でも色々と調べ、コーチング学というものについて考えました。

その中で筑波大学の故:図子先生の考え方に触れ、僕自身のトレーニング指導におけるコーチング哲学の根拠になっています。その中で、また、ある書籍に出会いました。

その書籍は、佐伯夕利子著「教えないスキル ービジャレアルに学ぶ 7つの人材育成術ー」というものです。(書籍はこちら)サッカーだから、スペインだから、育成カテゴリーだからとかいうものを抜きに、単純に「人が人に接する時にどう考えるといいのか?」ということについて考える機会になりました。

今回は、その書籍を読んだ感想を中心にまとめていきながら、僕自身が、今後のトレーニング指導におけるコーチング哲学について考えたことをご紹介していきたいと思います。

同業のトレーニングコーチの方はもちろん、アスリートの方も、この書籍を読んだことがない方はぜひ読んでみて下さい。このブログを読むよりも、むしろ、そっちの方が良いですね(笑)

目次

ビジャレアルのコーチング哲学

「指導者は、選手の学びの機会を創出するファシリテーター(潤滑油)に過ぎません。私たちのクラブでは、指導者個々の内省から、これらを指導哲学のベースとしています。選手のみなさん、保護者のみなさん。選手をけなしたり、威嚇し恐怖を与えたり、責任を背負わせたりする人は支配者であり、決して指導者ではありません。」(引用書籍:佐伯夕利子著 教えないスキル pp22から)

この引用からも、選手への強いコーチング哲学を感じます。もちろん、文字にするのと、実際に、選手に対して行なっていくのでは大きく違います。しかしながら、ビジャレアルでは、長い期間をかけて、このコーチング哲学をもとに、選手へのコーチングを行い、大きな成果を挙げているそうです。

これはもちろん、サッカー選手としての成果や結果だけではなく、目の前の選手一人一人の人生に寄り添い、そして、サポートをしていった成果や結果であると、僕は感じています。

これは、以前のブログ(こちら)で紹介した、図子先生が示す、【ダブルゴール】そのものだと言えます。目の前の相手(選手)の競技力やパフォーマンス向上を手助けするだけではなく、人間力の育成や人間的な成長をも手助けしていくことが、スポーツやトレーニング指導を通じて、相手に伝えるべきことであると、僕は改めて実感しました。

7つの人材育成術

この書籍では、ビジャレアルで実践した7つの育成術について紹介されてます。その7つに関して、アウトラインのみ、ここではご紹介します。ぜひ、気になる方は、書籍を手に取って、読まれてみて下さい。

・自分の言動に意識を持つ

・「問い」を投げる

・パフォーマンスを生む言葉を選ぶ

・伸ばしたい相手を知る

・丸テーブルに変える

・「教えないスキル」を磨く

・認知力を育てる

このブログでは、書籍で紹介されている、上記の7つの人材育成術を踏まえて、僕自身が感じたことや考えたことについて記載していきたいと思います。

コーチに必要な学び壊し

この書籍の中で、【ラーン(Learn:学び)】→【アンラーン(Unlearn::学び壊し)】→【リラーン(Relearn:学び直し)】というサイクルの繰り返しこそが、コーチに不可欠である、と記載されています。(引用書籍:佐伯夕利子著 教えないスキル pp47から)

確かに、僕自身も、コーチである以上、学ぶという行為をやめてはいけないと感じています。しかしながら、以前のブログ(こちら)でも記載したのですが、「学び続けなければならない…」というニュアンスは僕は少し違うのではないかなと感じています。

学びとは、本来、義務でも何でもなくて、知りたいっていう好奇心や興味が先だろうと、僕は思うんです。義務感とかではなく、好奇心や興味関心を無くさない生き方や人生を選択すればいいと僕は考えているんです。行き着いた先は、【幸せな人生を送るために学ぶ】ということです。

なりたい自分や成し遂げたい未来という目的が明確になっているからこそ、具体的な行動、つまり、必要な手段や方法の取捨選択ができるのだと思います。

自分が進みたい方向が理解できているからこそ、うまくいかなくても、軌道修正ができたり、次の手段や方法を試すことができると思います。そうした行為の連続こそが、僕は、【学び】であると思います。【学び】はなりたい自分、成し遂げたい未来に向かって行う行動なのだと僕は考えています。

そのような僕の価値観と、この書籍に出てくる佐伯さんをはじめとするコーチたちには、そういった姿勢を強く持った人が集まっているのだと思いました。だからこそ、現時点では自分に痛みを伴うことも、より良い未来のために受け入れていたように思います。

伝えるべきネガティブなフィードバック

以前、SNSの投稿(こちら)で、【能力をほめると生徒の知能が下がり、努力をほめると生徒の知能が上がる】という研究データを引用してご紹介しました。そこでは、【褒め方一つで、子どもからチャレンジ精神を奪い、成功への道を閉ざしてしまう可能性がある…】ということを結論づけています。

このことから、僕自身、アスリートへの声かけ一つで良くすることもできるし、反対に悪くしてしまうこともあるということを再認識し、声かけ、コーチングこそ、トレーニングコーチとして、最重視しなくてはいけないことの一つであると強く感じました。

一方で、今回の佐伯さんの書籍では、ネガティブなフィードバックをする際、つまり、【叱る】ときにどういった要素に反応しているのか?ということについて整理されていました。

① 彼らのアティチュード(attitude=姿勢、態度、取り組み方)

② 彼らのアプティチュード(aptitude=適性、才能、スキル)

③ 彼らのビーイング(being=存在・ありよう)

(引用書籍:佐伯夕利子著 教えないスキル pp86から)

この3つの要素において、コーチ(指導者)が叱っても良いのは、① アティチュード(attitude=姿勢、態度、取り組み方)だけであると、記載されていました。

例えば、できるのに手を抜いてやらないときなどのその姿勢、態度そのものに対するフィードバックです。しかも、このフィードバックに関しては、コーチ自身の感情を出して伝える、ということを結論づけたそうです。

この部分に関しては、僕自身も全くの同意です。トレーニング指導の際に、まず、アスリートに伝えるのは、取り組む姿勢についてです。やるか、やらないか?やるなら、しっかりとやること、手を抜かないことを約束事にします。

この約束事を守れないのであれば、トレーニングはしないくて良いということを、これまでサポートしてきたアスリート、そして、チームに対しては伝えてきました。その部分の厳しさや軸をぶらしてしまうと、やはりそのアスリート・チームの成長にとっても、マイナスが大きいこと、そして、安全管理の面でも怪我や事故に繋がる恐れがあるため、その点は十分に伝えてきました。

しかしながら、僕自身もコーチングフィロソフィが不明瞭だった時には、エクササイズができないと、「このアスリートはセンスがない、能力が低い」などの評価をしてしまったり、それを伝えてしまうこともありました。

この行為は、②や③の要素の否定に繋がり、相手との間に信頼関係を築くことができない要因になります。僕自身もそうであったように、多くのスポーツ現場、そして、トレーニング指導現場においても、アティチュード(attitude=姿勢、態度、取り組み方)以外の要素に対して、ネガティブフィードバックしている姿をよく目にします。

本当にアスリートの成長を望むなら、どういうコーチングが必要なのか?ということについて、やはりしっかりと学ぶ必要があり、それにより、アスリートのより良い未来に繋がると思います。

格闘家・安保選手のサンドイッチコーチング

僕の好きな格闘家の一人である安保選手が、キックボクシングの指導をされているyoutube動画を見ている時に、「安保選手のコーチングって、すごくわかりやすいし、教えてもらっている人も言われて気持ちいいだろうな」と感じました。ご自身でも、「僕、教えるの上手いんです」と仰っているのが理解できます。

それは、なぜか?

もちろん、高い格闘技スキルを持っておられるからではあるのですが、うまく、【サンドイッチコーチング】を使って指導されているからなんです。

【サンドイッチコーチング】は知っている人も多いと思いますが、

① 相手にとって良いところを伝える

② 相手にとって聞くたくないかもしれない改善点を伝える

③ それに対する期待を伝える

というコーチングです。

改善点を伝える前に、相手に聞く耳を持たせるように、しっかりと褒めます。その上で、改善点を伝え、そして、最後に期待の言葉で締めくくることができれば、悪い印象を持つことなく、素直に改善点を修正しようと思えるものだからなのです。

自分の言いたいことだけを相手に伝えるのではなく、相手をどんな気持ちにさせられたか?を人は覚えていることの方が多いので、その点を踏まえて伝えることで、相手との信頼関係をしっかりと築くことに繋がるはずです。

ちなみに、このことを、ツィートしたら、ご本人から「いいね」してもらいました(笑)

余白を作る

以前、僕はトレーニング指導しているアスリートに言われた言葉があります。それは、「たらちゃん、新しいエクササイズ追加したら、一つ減らさないと、やること増える一方だからね」という言葉です。

これ、選手だったら、大きくうなずく言葉かと思います。というのも、僕も含めて、トレーニングコーチやトレーナーは、やりたいことが増えがちです。しかし、減らすのが苦手です(苦笑)

そのため、結果的に、選手が提供されたプログラムは、たくさんのエクササイズになってしまうことになることが多々あります。当時の僕は、自身が提供するトレーニングプログラムの中で、すべてを完結させる!ということを意識しすぎていたと思います。しかし、選手目線で言えば、【腹八分目】程度に押さえて、体力的にも、気持ち的にも少しだけ【余白】を残しておいたほうが良いはずです。(というのも、足りない選手は多くの場合、トレーニング後に、自分でちょこちょこやったりすることが多いですから…)

僕はこのように考えて、トレーニング指導をしていますが、この書籍においても、【選手に考える余白を作ってあげる】ということを大事にされていました。

一方的にコーチングして、教え込むと、アスリート自らの頭で考えることができなくなるからなんです。余白がなければ、アスリートが自主的に【学びたい】という意欲が湧かないからです。そのためにも、我々のようなトレーニングコーチも、スポーツ指導者同様、アスリート(=相手)が、自然と「学びたい」という意欲が湧くような環境を作っていく必要があるのだと思います。

これを理解しておけば、「一つ増やしたら、一つ減らす」ということを意識して、プログラムを作成し、【余白】を残すべく、【腹八分目】程度の負荷に設定することを意識できるようになるはずです。

【余白】を残すというのは、結構重要です。人生においても余暇が大事だったり、遊びが重要なように、トレーニング指導においても、ちょっとそういう隙間を残しておいた方が、良い方向に進むと、僕は考えてトレーニング指導を行っています。

まとめ

今回は、佐伯夕利子著「教えないスキル ービジャレアルに学ぶ 7つの人材育成術ー」という書籍を読み、かなり共感する部分が多かったこともあり、その書籍から引用しながら、僕自身がどんなコーチングフィロソフィを持って、トレーニング指導、コーチングをしているのかについてお伝えしてきました。

やはり、コーチにおいて重要なことは、「何を、どのように伝えるのか?」だなと強く感じました。エクササイズのやり方を知っていても、それを相手にわかるように伝えないと、トレーニング効果を出すことはできません。成果や結果を出すのは、トレーニングコーチではなく、選手自身なので、その選手が成果や結果を出しやすい環境を整備していくのが、周囲のスタッフの役割だなと思います。

・ビジャレアルのコーチング哲学

・7つの人材育成術

・コーチに必要な学び壊し

・伝えるべきネガティブなフィードバック

・格闘家・安保選手のサンドイッチコーチング

・余白を作る

最後に

トレーニング指導において、僕が重要だと思うことの一つは、【相手にどう伝えるか?】だと考えています。同じことを伝えるにしても、相手との関係性においては、伝わり方も異なってくると思います。自分の言葉をきちんと相手に伝えるためにも、地道な信頼関係の構築のための努力をしていく必要があると思います。

相手に伝わらなければ、たくさんの知識もスキルも十分に活かすことができないので、相手にしっかりと伝える!という点までしっかりと意識して、学んでいく必要があるのかなと僕は考えています。

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