この記事では、高校生を対象としてのトレーニング指導の現場において、どのようなマインドでコーチングをしているのかを、プロ選手にもトレーニング指導をしているトレーニングコーチが書いていこうと思う。
高校生へのトレーニング指導の実際
トレーニングを始める前に、前回できていたことは継続して、前回できなかった課題を解決できるように、トレーニングに取り組むよう伝えた。しかし、結果は前回できていたことができなくなり、トレーニング自体の積み重ねができなませんでした。
高校生へのトレーニング指導をされている方にとっては”あるある”なのかもしれないですね。
この原因を自分なりに分析したところ、
【目的意識の欠如=マインドセットが十分にできていない】
ということが大きな要因であると感じました。
トレーニングを行う上でのマインドセットとは?
- なぜ、トレーニングを行うのか?
- なぜ、このフォームで、この重量で行うのか?
など、トレーニングを行う目的をきちんと整理し、選手たちに伝え、理解してもらうことががトレーニングを行う上でのマインドセットだと思います。これを行わないと、上記のような結果になるのだと思います。
変な話、トップアスリートレベルであれば、この辺のマインドセットは、自身ですでに行うことができます。それこそ、我々のようなトレーニングコーチに対して、
『〇〇ができるようになりたいが、どうしたらよいか?』
という形で、自分に足りないものが明確にあり、その部分を補うために専門家の力を借りるということをすることが多と感じている。
このようにできる高校生もたまに見られるのですが、多くの場合そうもいきません。だからこそ、上記のマインドセットが非常に重要なのだと思います。
コーチングは相手にどれだけ伝わるかが大事
トレーニングをする上でのマインドセットを高校生にも分かりやすく伝えようと考えた結果、導きだした例えは、”自主練習”です。
例えば、バスケットボール選手の場合であれば、シュート成功率を上げるために、何千、何万というシュート練習を行うと思います。シュート練習という行為自体は、おそらく、高校生だろうが、プロ選手だろうが、違いはないはず。しかしながら、その練習から得られる結果は、高校生とプロでは違うと思います。(もしくは、プロ選手の高校時代とは)
何がそれを分けるのか・・・。
それこそが、“目的意識”だと思います。同じことを、どういう目的をもって、
取り組むかで、出てくる結果は変わってくると思います。量をこなすにも、目的意識が低い選手は、やはり量をこなせない。逆に、目的意識があれば、シチュエーションを微妙に変えたりしながら、おそらく量をこなすことができ、結果として、質も上がるのだと思います。
この自主練習という例えを使うことにより、プロ選手よりも目的意識が低い高校生にとっても身近な例えで当事者意識が芽生え、トレーニングを行う目的意識も変化しました。
トレーニングだけでなく人生にも目的意識を
正直、キツイことを言うようですが、プロになれる選手は一握りなので、全員がそのような練習や、取り組む意識を持つ必要はないと思います。ただ、バスケットだけに限らず、仕事や人生においても目的意識を持つことは大事です。今後の長い人生に役立てるためにも、今、懸命に取り組むスポーツから、学んで欲しいと思っています。高校生のトレーニング指導場面においては、エクササイズに対するコーチングはもちろん、人生において役に立ててほしいことも踏まえつつ、コーチングを行うように心がけています。
最後に:
トレーニングということから、実は人生において割と重要なことを学ぶことができると思っています。自分が関わる選手たちには、少しでも早くから理解し、人生に役立ててほしいと思っています。
高校生のトレーニングに関わる多くの指導者がトレーニングだけでなく、トレーニングを通して何を伝えたいかも考えて伝えて言って欲しいと願います。