トレーニングコーチ、トレーナーとして、知識やスキルを学ぶことは非常に重要です。それらを学ぶことで、クライアントの課題や悩みを解決できる確率が上がると僕は考えています。
だからこそ、僕は、過去、知識やスキルを得ることを最優先にして学びを進めてきました。しかし、重要とは分かっていても、実は、その前の前提として重要なことがあることにも、同時に気づくことができました。
これから、クライアントワークを職にしていく学生や、クライアントワークというキャリアを始めたばかりの人は、ぜひ参考にしてみてください。40歳を目の前にした僕が、プロアスリートへのトレーニング指導を10年以上行なってきた僕が、現時点で大事だと思うことの一つです。
トレーニング指導者として、相手に何を伝えるか?
過去のブログにおいて、組織(=チーム)に雇われたときに、【相手の立場】で考えることの必要性について、僕が考えていることを記載してきました。トレーニング指導を専門とする職業として、その業務に必要な知識やスキルを身につけ、相手の課題や悩みを解決できる能力を持ち合わせておくことは重要であると思います。
と同時に、注意すべきは、相手が、あなた自身が持ち合わせている、知識やスキルを100%必要としているか?というと、そうでないこともあるということです。
そのことを理解することができれば、知識やスキルを提供するのではなく、トレーニング指導の必要性を説くことを最優先させることができると、僕は考えています。
相手に受け入れられる関係性を作ること
トレーニング指導者として、相手(クライアント)に、トレーニング指導の必要性を説くためには、知識やスキルを伝えるだけではうまくいきません。
例えば、アスリートが良いコンディションでシーズンを過ごすためには、「計画的なトレーニング、栄養摂取、休息・休養が必要!」という、知識を相手に伝える場合、相手も、あなた自身が伝える知識である、「計画的なトレーニング、栄養摂取、休息・休養が必要!」ということを理解していたとしても、それを伝える相手が【誰か?】で聞き入れるか、もしくは聞き入れないか?が残念ながら生じてしまうと思います。
結局は、人が人に伝えるため、【人の感情】というものが、その判断において介入してくると思います。「あなたが言っていることは正しいと思うし、正論だと思うけど、何か受け入れ難い」なんてことは経験したことがありますよね?
それくらい人は、【誰に言われるか?】ということに敏感に反応するものだと思います。つまり、相手に自分の意見を聞き入れてもらうには、まず、【あなた自身が何者なのか?、どんな人なのか?】ということを相手に伝える必要があります。
その上で、相手が、「この人の伝えていることを受け入れよう」という判断をしてもらう必要があると僕は考えています。そういった【関係性】を相手と作ることができるか?が、非常に重要な要素なのではないでしょうか?
信用と信頼について
相手に受け入れられるためには、何が必要か?というと、「信用・信頼が必要」とイメージする人も多いかもしれません。では、この「信用」「信頼」とは何を指すのか?ということについて確認してみます。
新語時事用語辞典によると、”【信用】とは、「過去の言動や実績から確かなものと信じて受け入れる事」を指すのに対し、【信頼】は、「未来の行動を信じて頼りにする」というニュアンスの違いがあります。「信用」は過去の実績や成果に対する評価によって生まれた言葉であるのに対し、「信頼」はその人の人柄や立ち振る舞いを評価した上で、先の保証がないまま信じて頼るという意味合いがある言葉である。”と掲載されています。
このことから考えると、相手は、あなたの過去の実績や成果を見て、あなたのトレーニング指導を受けたいと思ってくださり、実際にそのサービスを受け取ると思います。そして、その信用と共に、実際のあなた自身の人柄や立ち振る舞いを受けて、「この人に自分の身体を任せたい!」と自分の未来を委ねようと思ってもらえれば、あなたのサービスを受け続ける、という結果になると思います。
つまり、相手は、あなた自身の「人柄」や「立ち振る舞い」を評価して、信じて頼るわけです。(信頼する)そのため、あなた自身の実績である「知識」や「スキル」だけを提供しただけでは、あなた自身を信頼することができないということなのです。
信頼は、【あなた自身を相手が受け入れてくれるからこそ、生まれるもの】であると言い換えることができます。しかし、この部分は、割と蔑ろにされているように僕は感じています。
信頼を担保すること
相手に自分の知識やスキルを受け入れてもらうには、まずは、あなた自身の言葉を聞き入れてもらえるような立ち振る舞いや、あなた自身の人柄を相手に伝える必要があります。
それを繰り返し行っていくことで、少しずつ少しずつ、相手のあなたへの信頼が担保されていくわけです。「この人だったら、任せても大丈夫」というところから、少しずつの積み重ねで、「この人に任せたい!」と思ってもらえるようになるのだと思います。
薄皮を一枚一枚重ねていくように、信頼も日々のちょっとしたことから、一つずつコツコツと積み重ねていくことが大事なのだと思います。
例えば、いつも清潔な身なりをしている、言葉遣いに気をつけている、ポジティブな声かけをしてくれる、何だか元気をもらえる、時には家族のように叱咤激励してくれる、などなど、相手の状況に合わせて、相手が必要としている立ち振る舞いを行うことができるのか、どうか?ということで、信頼が担保されていくのだと、僕は考えています。
誤解してほしくないのは、イエスマン的に、相手に耳障りの良いことだけを並べよう、と言っているわけではないのです。時には、相手にとって、耳障りの良くないことも言わなくてはいけない時もあります。それを相手に伝えても、きちんと相手が聞き入れてくれる関係性というものをそれまでに構築していくことが重要だと思います。
この辺りはいきなり構築できるわけではないと思います。というか、時間がかなりかかるものだと思います。あなたのことを受け入れるかどうかは相手が決めることなので、あなた自身はそこをコントロールすることはできないでしょう。
では、どうすべきか?
それは、コントロールすることができることをしっかりとやること。つまり、あなた自身のことに目を向けて、相手が受け入れやすい状態を作っていくことが重要だと思います。相手の立場に立って、相手が受け入れやすいだろうと思い浮かんだことを、片っ端からコツコツやっていけば、自ずと相手の反応が返ってくると思います。まず、変えるべき、考えるべきは、【自分自身】ということかと思います。
まとめ
今回は、クライアントワークを行っている方や、これから目指そうとしている方に向け、僕自身が、知識やスキルを獲得していくのと同じくらい重要と考えている、「信頼の担保」ということについて記載してきました。一人での多くの方の考えるきっかけにしてもらえると嬉しいです。
ー トレーニング指導者として、相手に何を伝えるか?
ー 相手に受け入れられる関係性を作ること
ー 信用と信頼について
ー 信頼を担保すること
最後に
トレーニング指導という職業を行うにあたって、知識やスキルを磨くことは重要なことであると思います。と同時に、相手の信頼を得るためには、自分自身の人として深み、いわゆる人間性というところにも磨きをかけていくことが重要だと僕は考えています。
僕は、大学卒業時に一度は教員の道を目指しましたが、このまま試験を受けて、教員になって、何を伝えることができるんだろうか?と、思いました。大学時代、サッカーとバイトしかやっていない人間(自分自身)に、生徒や学生に伝える言葉があるのか?と。
人生経験があまりにも少なすぎる、自分が見えている世界が狭すぎる、という思いが強くなり、もっと視野を広げるためにも、九州を飛び出し、大学院の道を選択しました。そこで出会った人は、自分よりもはるかに優秀な人たちばかり。大学時代、サッカー選手として、自分のレベル差を感じたのと同じくらい、学業においても、人間性などにおいても、自分との差を感じました。
それから社会人になり、そこでもさまざまな経験をさせていただき、自分が思うようにいかないことや、悔しい思いをしたりしながら、自分なりの経験値を上げ、人としての深みをちょっとずつ作ることができてきたように思います。
結局は、【実体験すること】が非常に重要だと僕は思っています。実体験したことは、人に聞いたり、本で得る知識以上のものを手に入れることができます。実体験を通じて、自分自身がどう感じ、どう思ったのか?それこそがオリジナリティだと思いますし、そうした経験を通じて発する言葉は相手にも伝わりやすいのでは?と僕は思っています。
ということで、ぜひ、【実体験すること】をあなた自身も大切にしてみてください!!
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