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【アスリート必見】突然、できていたことができなくなる、、、アスリートを襲う現象とは?

ある日、突然、できていたことができなくなった、、、何をやってもうまくいかない、、、

そんな経験をしたことがあるアスリートは多いかもしれません。もしくは、この記事を読んでいる、ということは、現在進行形で、その渦中にいらっしゃるのかもしれません。

本記事では、いつもできていたことが突然できなくなる、、、そんな時の上手に対応するために、その現象がどういうことなのか?ということについてお伝えします。できていたことができなくなる、という現象とは、そもそも何なのか? スランプ? イップス? あがり? などなど、「できていたことができなくなる」という、その状態自体をしっかりと理解して、少しでも上手に対処できるようにしてみてください。

スランプ? イップス? あがり? その現象の正体は?

競技スポーツを行うアスリートは、ケガやバーンアウトなど心身へのネガティブな影響を及ぼすことが増加します。その結果、「スランプに陥り、競技成績が低下した」ということは、メディアなどでよく耳にします。

何となく、スランプと聞くと、「調子が悪くなり、伸び悩み、競技成績が落ちる」とか、「できていたことができなくなってしまう」というようなイメージを持っている方が多いと思います。

しかし、実際には、そのイメージとは違う意味合いで定義されており、その定義をきちんと理解した上で、そのきっかけや症状、克服方向などを理解していくことが重要であると考えます。

 

  • スランプとは?

「スランプ」は、「熟練者の立ち止まり時期」とされています。つまり、自動化されたそのスポーツ動作スキルに対して、「より高みを目指そう!」として、そのスキルの向上を図った際の「過剰な意識的動作」介入の時期を指しているとのことです。

同じような意味合いで使われることの多い、「イップス」や「あがり」に関してもご紹介しておきましょう。

 

  • イップスとは?

イップス」とは、これまで、通常通りに遂行可能であった動作が不可能な状況に陥ること。つまり、「普段の一般的な動作・いつも行う動作」にて生じるものであり、練習時から上手く動作ができなくなってしまう状態のこと、と定義されています。

 

  • あがりとは?

あがり」とは、大事なゲームや試合などの際に、普段のお落ち着きを失うことを示します。自律神経系の緊張や心理的緊張、運動技能の混乱、不安感情といった、複合的な心理学・生理学的な現象のこと、と定義されています。

 

このように、言葉の定義をきちんと整理していくと、アスリートに生じる、「できていた動きができなくなった、何をやってもうまくいかない」といった現象は、スランプというよりも、むしろ、イップスというものであるということがわかります。

 

イップスに陥る原因は何か?

イップスという言葉が日本で使われるようになったのは、ここ十数年のことです。定義としては、「運動スキルの遂行に影響する不随意運動からなる長期的な運動障害」という、いわゆる「運動障害=生理学的困難」と言われています。

このイップスは、医学的には、「ジストニア」という症状に分類されています。「ジストニア」とは、”筋肉や骨に異常がないにも関わらず、全身あるいは身体の一部がねじれたり、震えたりして思い通りに動かない症状” のことを指します。

遺伝子異常など先天的な原因のこともありますが、同じ動作を繰り返すアスリートや楽器奏者などに生じることが多いため、「職業性ジストニア(動作特異性ジストニア)」と呼ばれます。この職業性ジストニアがいわゆるイップスとほぼ同義の意味で使われています。

このジストニアの原因は脳の中枢神経系にあると言われており、大脳皮質や大脳基底核、視床、小脳など運動制御システムの異常と考えられていますが、その発生機序自体は明らかになっていません。

 

しかし、多くの場合、精神的なショックが関係して発症する場合が多く、心理的な要因が非常に大きい症状であると考えられています。( BRAIN CLINIC から引用 こちら

例えば、野球におけるイップス発症について調査した研究においては、「指導者や先輩などのいわゆる”身近な人間”からの視線や評価が、そのイップス対象者らへの不安や緊張を煽り立て、そこから抜け出せない状況の背景要因となっている」と報告されています。(引用文献はこちら

また、別の報告では、「失敗に対する不安」などの内的要因と、「指導者からのプレッシャー」などの外的要因があり、これらの組み合わさって生じる可能性が指摘されると、報告しています。(引用文献はこちら

こうしたことが要因となり、同様の動きを行おうとした場合に、不安や緊張が急激に増加し、急に体が動かなくなってしまうのです。

 

イップスの対処方法

イップスは、まだ、医学的根拠に乏しいため、明確な対処方法や治療方法が明確になっているわけではありません。しかしながら、上記したように、心理的な要因が大きい可能性があり、それらを踏まえた上で、心理的な要因を解決を支援するようなアプローチに関しては、現場レベルでも行われてきているようです。その一つが「ソーシャルサポート」です。

「ソーシャルサポート」とは、「ある人を取り巻く重要な他者(家族、友人、同僚、専門家など)から得られる様々な形の援助」と定義されています。そして、ソーシャルサポートには、個人を取り巻く支援環境の作用である「機能的側面」と、それを伝達するために個人の有するネットワークの形態である「構造的側面」の2つの側面が存在すると言われています。

「機能的側面」に関しては、具体的なサポート内容や、ソーシャルサポートによる効果そのものが該当します。一方で、「構造的側面」に関しては、ソーシャルサポートに関わる人数やソーシャルネットワークそのものが該当します。

そのため、ソーシャルサポートの「機能的側面」に該当する、具体的なサポート内容を「道具的サポート」「情緒的サポート」「情報的サポート」「評価的サポート」の4つのカテゴリーに分類し、それらに、どのような効果があるかを以下に記載します。(引用文献はこちら

 

 

こちらの報告では、各カテゴリーごとに行われた具体的なサポートのうち、「道具的サポート」「情緒的サポート」に関しては、ソーシャルサポートとして多く行われたとのことです。これは、野球経験(各種競技経験)と、一定の社会的スキルがあるアスリートであれば、比較的、利用しやすいサポートであるためであるとされています。

「道具的サポート」「情報的サポート」に関しては、「技術指導」「練習メニューの提案」や「専門家の紹介」が示されましたが、これは、競技現場の選手やコーチなどの経験則によるところが大きいとされています。

一方で、「情緒的サポート」「評価的サポート」に関しては、イップス発症に伴い特徴的に実行されるサポートであり、これらのサポートを通じて、特徴的なエラー動作に対して、”寛容さ”を示すことで、該当選手の情緒面に配慮し、改善を促しています。

どのソーシャルサポートも、イップス該当選手を配慮してのサポートではありますが、どのサポートも明確な効果があるわけではなく、その有用性に関しての科学的根拠は乏しいと言わざるを得ない状況です。(2021年5月の広島大学の報告 イップス発症選手の特徴に関しての報告はこちら

 

こうした状況を踏まえ、「イップス」症状が、どの選手にも起こり得ることを念頭に、選手自身が、「不安や緊張を感じやすい選手なのか、否か」を把握しておくことは重要だと考えることができます。

また、指導者側も、その選手の特性(不安や緊張をしやすい選手か否か)を把握し、「その選手に対する言葉かけや、パフォーマンス失敗(ミスなど)後にかける一声などを考慮する」必要があると考えられます。

競技場面のどの局面において、不安や緊張、そして劣等感などを感じるのか?といったことを、選手自身も、そして、指導者側も「見える化」できるようにしていくことで、対処していくことができるように感じます。(引用文献はこちら

 

まとめ

・アスリートに生じる、「ある日、突然、できていたことができなくなった、、、何をやってもうまくいかない、、、」という症状はイップスと呼ばれていますが、その発生機序、そして、対処方法については、まだよくわかっていません。

 

・しかし、イップス該当選手だけの問題にせず、周りもそのことを理解し、可能な限りのサポートを行なっていくことは、解決に繋がることはなくても、現場レベルで行うことができそうです。

 

・イップス発症がどの選手にも起こり得ることを考え、選手自身が、「不安や緊張を感じやすいのか、否か」といったことを把握することはもちろん、指導者側も、選手個々の特性を把握し、「選手に対する言葉かけや、パフォーマンス失敗後にかける一声を考慮する」必要があります。

 

イップスが発症した選手だけで解決させようとするのではなく、周りも可能な限りのサポートを行いながら、その選手が、孤立してしまわないような支援を続けていくことが必要になりそうです。

 

最後に

僕が初めてイップスという言葉を聞いたのは、15年ほど前、大学院在学中です。野球選手やゴルフ選手界隈で、この症状により、プレーできない、といったことを耳にしていました。

しかしながら、多くの選手たちが、自分のプレーがうまく行かないときに、「イップス」という言葉で片付けてしまっていることも散見され、これ自体も、どうなんだろう、、、と感じてきました。

そして、今回、ちょっとイップスについて気になり、調べたところ、「イップス」という現象そのもの定義をきちんと理解でき、僕が違和感を感じた”それ”は別物であると確信できました笑

ということで、アスリートの皆さんは、イップスと、スキル不足が混同しないように、注意していきましょう!!本当にイップスが発症し悩んでいるアスリートは多く存在していますから!!

 

 

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